EBIの建築探訪-練馬美術館
淳.EBIの設計室のわななき【2024年10月21日】
全国のログハウスファンの皆様、いかがお過ごしでしょうか。今年もはや10月です。
bb本社がある栃木は涼しくなったとはいえ日中30度近く気温が上がる事もしばしば、半そでのシャツがなかなか手放せません。
このまま秋という季節が無くなってしまうのではと心配なEBIでございます。
先日、練馬区立美術館で開催されている平田晃久氏の「人間の波打ちぎわ」という展覧会へ行ってきました。
平田氏は「建築とはからまりしろをつくることである」をコンセプトにされている建築家で、近年とても勢いのある建築家です。
主な作品は群馬県太田市にある「太田市美術館・図書館」、今年オープンし東急プラザ原宿「ハラカド」などがあります。
先ほど話題にでた「からまりしろ」、こちらは平田氏の造語で「絡まる」と「しろ(余白)」という意味だそうです。
型にはまったようなものではなくあいまいで複雑なすきまやひだを持った場所をつくることが平田氏の建築の核になっています。
展覧会では模型やスケッチ、インスタレーション作品を中心に平田氏が掲げる「からまりしろ」について脳内イメージを体験できる展覧会になっています。
この模型は特に先ほど話した「ひだ」を建物の形状として取り入れています。
「ひだ」によってできた空間が人と建物を絡ませる、自然環境のように自由な空間を作り上げているのです。
こちらの写真は台北に建つ地上12階建ての集合住宅の模型です。
先ほどのひだ状の建物とは違い幾何学的ですが注目していただきたいのは屋根です。
台北は降水量が多い地域なので屋根の向きを4種類に分けて全方向に満遍なく雨水が流れるようになっています。
これは水の流れに削られてできた自然の地形とある意味同じ物であり、これもまた建物に複雑な自然環境を作り上げる「からまりしろ」なのです。
今回ご紹介した展覧会は9月23日で終了してしまいましたが、平田氏の建築への情熱、飽くなき探求心を感じる事ができました。
1つのプランを作成するのにも何十通りも案を出して更にその模型の作成を行うのはEBIにはなかなか真似は出来ません。
天才でもそんなに試行錯誤するのかと、天才だからそこまで追求できるのだとEBIはとても感心しました。
ちなみに今回訪れた練馬区立美術館が平田氏の設計で新しく生まれ変わるようで、絶賛プロジェクト進行中だそうです。
完成した際には是非訪れたいと思います。
淳.EBIの設計室のわななき【2024年10月21日】