フィンランドの逸品
淳.EBIの設計室のわななき【2017年11月27日】
まもなく12月、…2017年もあとひと月で終わろうとしています。
年々感じていますが1年が経つのが本当に早い!今年は何をしただろうか?
通常の仕事はさておき、EBIの個人に課せた課題はどうなんだろうか?
振り返るのはまだ早いが、正直愕然とします。この時期はどの部でも大忙しでどうしても殺伐としてきます。仕事の忙しさはややもすると人の心まで曲げてしまう様です。
この時期12月になると、雪が多く降る多雪地域では例外なく雪が降ってしまい、基礎の着工が年明けて雪が解ける頃まで待たないと基礎のコンクリートが打てない…ということがあります。
その前になどとこの時期は設計技術課としては大忙しで!社内は気の毒な状態で蔓延してしまいます。
急いで建築確認申請を合格させて、各案件の着工段取りをしないといけないんです。
最近スタッフは風邪気味が多く体調が優れないはさて置いて、気合いで年末に向けて頑張るしかないですね。
さて今回の話は東急ハーベストクラブ旧軽井沢の現場に置いての、フィンランドの幻の逸材「シルバーパイン」を使ったコテージの工事の様子をお伝えしたいとスタッフの激励と視察を兼ねて現地まで行ってきました。
シルバーパインは以前銀吉のブログでも紹介にありましたが、改めて説明すると、パインの樹が建ったままの状態で枯れつつ腐ることなく、数百年という途方もない年月の間立ち続けて、含水率が
極小にさがり年輪のつまった、そして地球の自転と太陽のミッドサマーの白夜から、ほとんど水平線までしか上がらない冬場の太陽光の入射角度での 立ち枯れ材のラップランドパインが立ったまま枯れてしまう不思議で大変貴重な樹なんです。
当然のことながら本場フィンランドでもセレブの御用達になる貴重で年々高価なものになり、入手するのもとても困難な樹なんです。長い年月の間で樹皮が剥がれ生きとし生けるもの変わりゆく姿、実に風雅な銀灰色に表面が雲母のように見えるため「シルバーパイン」と呼ばれているフィンランドだけではなく世界的に大変な希少価値のなログ材であります。
実際に現地に行って見ますと恐れおののく風雅、風雪を耐えた風格はすごいものがありました。
北欧フィンランドのログハウスの原点を感じた気がします。
今や居住性から時代の流れとして、マシンカットでの精密機械によってフラットな形状の角ログが主流で真円ログもなのですが、このシルバーパインのログ部材は一本一本を職人による手加工で、製材された太くたくましい丸太は現代っ子のEBIにとっては初めて味わったお歳をめした味わい深い人間力の迫力のようでもありました。
なんちゃってではない、このような本物のシルバーパインを使用したコテージはなかなかないので、オープンした際にはぜひ皆さまにも体感して頂きないなーなんて思います。
EBIより年上の社内スタッフからは「北の国から」の黒板五郎の丸太小屋を思い浮かべる、という声もありますが生まれていないのでピンと来ませんでした。
「北の国から」に出演していて「ちい散歩」でも有名な地井武男さんも弊社BIGBOXのログハウスをお建てになっていて大のbbログファンで大変お世話になったとのことでありました。
ちなみに地井さん焚き火が大好きだったらしいです。
やはり建築家とすれば建築を構成するマテリアルのテクスチャーがすごく気になるものです。
石や鉄、そして木、木の中でも 極北の北欧フィンランドの原野で立ち枯れたパイン材が何百年もぼーっと立ちずけ、風雪にされて、どうでしょうか?
建築家としてすごくこのマテリアルテクスチャーには一目も二目も置いてしまうのです。
淳.EBIの設計室のわななき【2017年11月27日】