SA、PAを建築目線で
淳.EBIの設計室のわななき【2023年04月22日】
新学期に入り学生や新社会人の皆さんは少しずつ環境の変化にも慣れてきた頃でしょうか。
社会人になったばかりの気持ちを思い出すと、不安と期待で満ち溢れていた春。
毎年初心を思い出すことができる、そんな時期だと思ってEBIは過ごしています。
今の時期はゴールデンウィークの少し前ということで、旅行の計画等を立てている方もいるのではないでしょうか。EBIも家族と、どこに何しに行こうかゆっくりと計画中です。
旅行に行く際に、車を使用する方も多いことでしょう。
運転の疲れを癒すため、サービスエリアで休憩することもありますよね。
今回はサービスエリア、パーキングエリアをEBIが建築目線でご紹介していこうと思います。
ちなみに先日、EBIが出張で静岡に行った際に立ち寄ったサービスエリアが上の口絵です。
EXPASA足柄は富士山を見ながら休憩ができて静岡に行ったからにはと、富士山をじっくり見る場所を探していたEBIにとっては最高でした。
それでは最初に紹介するのは愛知県は知多半島の大府のパーキングエリアです。
こちらをデザインしたのは隈研吾。
以前、EBIがサッカーの代表戦を観た新国立競技場の設計者ですね。
外観から分かるように開放的なデザインに。この建物のコンセプトは「おおらかな木のひさし」とのこと。
木を多用することで日本をイメージし、海外からの旅行客も意識したデザインになっているそうです。
暗いイメージを無くすため、折り上げたひさしにすることで明るく迎えるようなイメージになってます。
たしかに明るい雰囲気をとても感じてパーキングエリアのイメージではないような形状が面白いですね。
また、外国人観光客が戻ってきている今の状況に、ぴったりな建築ですね。
次は茨城県の守谷サービスエリアです。
こちらも先程紹介したものと同じく、木材を多用したサービスエリアになります。
守谷の地域性に合わせたコンセプトになっていてそれを表現するために木を使っているそうです。
木をコンセプトにしたものでも目的は様々なんですね。
柱に注目してみると上の部分が分かれた形状になっていて、木をイメージしているのが伝わります。
この柱の下部は鉄骨に集成材を取り付け、上に広がる部分は集成材と構造的には鉄骨構造に。
柱を工夫することで、こんなに木の雰囲気が伝わるのも面白いですね。
そして防災の拠点として活用することができ、それを目的にした機能が各所に備わっているそうです。
「恵みの森」というのがテーマで人々を癒し、守ることのできる素晴らしい建築だと思います。
3つ目は去年オープンした大阪府の泉大津大型専用パーキングエリアについてです。
画像を見ていただくとわかる通り木を使っていますね。
お話をまとめているうちに、木仕様のSA,PAばかりに注目してしまい無意識のうちに木に惹かれていたんだなと。
泉大津大型専用PAは阪神高速では初の木造建屋になるそうです。初の木造ということで、目に見えるような形状を意識して、その中でバランスを保ち回遊性のあるPAということで楕円形状が生まれました。
その形状に至るために様々な試行錯誤を重ね、木造が伝わりやすく構造的に問題のない利用される人々に安らぎを与えられるような空間が誕生しました。
内部の木材に注目してみると小さくカットした小片材を木レンガとして内装材に貼る工夫がされています。
これは表面に節が多く出ているものを有効利用するために考え出されたようです。デザインのバランスを考えて施工するのが大変そうですよね。
その苦労あって幅広いお客さんに「ほっ」とできる空間を実現しています。
話しているうちに今度のGWはどうしようか考えていましたが、車でどこかに旅行しようかと考え、今から楽しみです。
運転で疲れた際には、そこで立ち寄ったサービスエリアに注目してみても良いかもしれません。
今回は3つご紹介しましたが、結果的に木を使ったSA,PAになりました。
SA,PAにも一つ一つコンセプトがあり利用する人のことを思いつくられているのです。
私たち設計部も、当然お客様に合ったプランの作成はもちろん、ログハウスの魅力を最大限伝えるための工夫は欠かしておりません。ご紹介した建物は、木を利用したという点は同じでも見せ方は違ってどれも魅力がありました。
私たちも信念は曲げずに、様々なプランをこれからも出し続けていきたいと思います。
淳.EBIの設計室のわななき【2023年04月22日】