EBIの弾丸建築探訪~大阪編
淳.EBIの設計室のわななき【2019年10月31日】
台風と大雨。大自然現象です、太古の昔から人々は地震や火砕流、氾濫等々いつの世も苦闘の連続です。
生物の種の絶滅も時代の変遷も全く同じように移り変わる宿命にあると思います。
そう言う意味のところで、私たち設計家は優れた建築の種を繋いでつないで優れものの建築を残すことを夢見ています。
時代に滅びない作品建築です。
冬を前にして本当に大変な災害大国となってしまった今年に建築家としての建築観が180度変わろうとしているEBIでございます。堅牢な建築です。それと建築以前の建築土地敷地の素性です。
更には、これまであまり論じられてこなかった素性において治水という考え方。
日本のインフラ整備や河川、地域の生活用水や農業・工業・林業と多くの産業に水と言う当たり前の資源が、台風や雨によってここまで大きな災害をもたらすとは思わなかったくらいの雨が今年は本当に多く降りました。
今後、どこまで河川・治水対策が出来るのか、単体の建築のみならず、都市計画を踏まえた大きなスケールで物事を考えて設計しなければと考えています。
これも江戸桃山時代以前から現在と同じように治水治山の苦闘の史料があります。
何となくしか、気にとめていなかったハザードマップ、河川の近くは多くのハザードナップで洪水エリアを記載しておりますが、大洪水なんて起きる訳がないとの正常性バイアスの心理状態で、パニック映画なみの惨事が起こっています。
今回の災害でEBIの身近での栃木でも起こった現実を目の当たりにすると当然EBIも災害建築計画の意識も以前とは異次元でリアリティーが増しています。災害に強い堅牢かつグッドなログハウスを設計する為にEBIも益々勉強研究を重ねて行こうと決意しました。
そんな建築家魂と向上心か思いを抑えきれず、前置き長くてすいません。
「U-35」という35歳以下の若き建築家達による展覧会に大阪まで弾丸で行って参りました。
これからの建築を担っていくであろう建築家達の展覧会ということでかなり見逃す訳には行きません。
かなりワクワクであります。
地域性を見つめ、その地域の形を作り上げた作品、新たな構造方法を構築し今後へ向けて挑戦していく作品、屋外の風景を構造体にも表現した作品、ありふれた建材を視点を変え違った使い方をして新しさを与えた作品、なるほどでありました。
どの作品にも共通されていたのが、「分析」であります。
起業家の谷尻誠さんも日頃から、些細な誰も気にしないような所まで分析し原点を見つけ形にしています。
谷尻さんは以前紹介したCHANGEの著者でもあります。
やはり、建築家というものはいかに洞察力や分析力を身に付けられるかが重要であります。
お客様がどういう家に住みたいのか、どういう提案が喜んでいただけるか、自然ロケーションをどう生かすか、建築を通じてそれだけ驚きや感動を与える事が出来るかとしみじみ考えた次第。
更には、弾丸で大阪に来たので、この際と思い、我が心の師、巨匠安藤忠雄さんの作品を探訪しました。
時間が無かったのが残念ですが…。
U35を見終わったあと、大阪駅から大阪港駅へ向かい「旧サントリーミュージアム」へ行きました。
ここでは、近代建築の3大巨匠の一人「ル・コルビジェ」も使っていた手法がいたるところで使われていました。景色をあえて見せない壁を作ったり、1回見せて、隠してまた見せるといった、来た人をワクワクさせるような工夫がされていました。
その後は、住吉大社駅へ。そうです。
安藤忠雄さんが世にその名をとどろかせた建築士試験の問題にも出てくる住吉の長屋をこの目で見ようと思い訪問しました。
駅を出ると目の前に路面電車が住宅街にのびて行きます。
線路を渡ると、目の前には大きな鳥居があり、その先は「住吉大社境内」となります。
しかしそこには目もくれず、その先の住宅街へ。
熱に浮かされたように夢中で5分ほど歩くと、それは突然姿を現します。
コンクリートの壁に覆われた長方形の建物。「住吉の長屋」で涙が出そうでありました。
とても小さくひっそりと佇む鉄筋コンクリートの表情がとても堅牢で普遍的な奥の深いデザインを間口3.3Mのとても小さな世界で展開していく奥深さを感じました。
実はEBI、初めての路面電車に感動しました。
bbのある宇都宮にもLRTと言うハイテク路面電車が出来る様です。
賛否両論の様ですが、高齢化社会、宇都宮市街地の空洞化対策になるのであれば、未来の宇都宮の発展を考えれば家族の意見とは別にEBIは建築家として賛成です。
大阪の建築展覧会を見学し弾丸で宇都宮に帰省。
短い時間でしたが、とても勉強になる建築をやっていて幸せを感じた濃厚な1日でした。
是非これを機会にEBIの建築探訪をこれからも継続し皆様にご紹介したいと思います。
淳.EBIの設計室のわななき【2019年10月31日】