人のせいにしない
淳.EBIの設計室のわななき【2022年05月06日】
新緑の5月、いかがお過ごしでしょうか。
bbのログハウスファンの皆様、絶対にコロナに罹ってはいけません。
子供の為、妻の為、会社の為、スタッフ仲間も皆~んな大困りになります。
まだコロナ前とはいきませんが、今年のGWの観光地はけっこう多くの人々で賑わい、人々の活力溢れる会話や笑顔に日常の素晴らしさを改めて実感したEBIでございます。
先日、空が青い気持ちいいこの時期に栃木県は那須芦野にある石の美術館へ行ってきました。
那須高原には弊社bbの何百棟の大小ログハウスの実績が建っています。
那須芦野の石の美術館は、建築家隈研吾さんが、2000年に一躍ブレークした建築の出世作品なんです。
ログハウスを設計していると建築家として、あらゆる建築マテリアルの可能性と、コンストラクションの在り方、コンビネーションの華の咲かせ方、建築って面白いですね!
別の素材をうまくログハウスに取り込んだりの無機質と有機的な結合など、ふとした寸暇にはEBIの精神は荒波の海に船を漕ぎ出してしまうのであります。
楽しくもあり苦悩でもあるのですが建築イメージのアイデアを次々と検証、新しい建築が頭の中で出来上がるのですから幸せという他はありません。
石の美術館はbbがよく紹介する大谷石とは異なる素材、那須地方でとれる芦野石を使用しています。
芦野石は耐久性・耐熱性に優れ加工しやすいため石塀、門柱、外壁など様々な用途に使用されてきました。
落ち着きがあり温もりも感じる風情と、年月を重ねるごとに程よく「枯れ」の表情を見せる風格のある石です。この美術館、主に芦野石・白河石が使用され大谷石とは異なる細かいテクスチャーや色合いがとても美しく感じます。
2000年の竣工から22年経過し経年変化した石の建築群もとても雰囲気があり落ち着きのある佇まいでした。
どうぞお暇があれば百聞一見、価値大有りです!
石の建築は基本組積造なので、木を積みあげるログハウスと同様に水面ラインが列ごとに強調され、何となく親近感がわきます。
特に石の表情は様々ですが、写真を撮るとバッチリ構図が決まるのが石の建築の面白いところです。
なんとなくビックボックス一級建築設計事務所にも共通しているような気がしてなりません。
偶然ですが、展示企画の一つに「隈研吾と石」展が開催されており、実物大の石の外装素材を見ることが出来ました。
今、bbでも実物大のサウナ小屋を渋谷・横浜ロフトで開催中ですが、1/1スケールっていいですね。
やっぱり迫力が違います。是非遊びに来てください。いい作品です。いい商品です。
本物って改めてインパクトがあるんだなと実感してしまいました。
なんともナチュラルで存在感が凄い。
そんな展覧会のパネルをみていると隈健吾さんの興味深いコメントに目がとまりました。
展示会の挨拶の言葉の冒頭に『うちのダメ社員達に、〜』が書き出しではじまるパネルを思わず読んでしまいました。
隈研吾事務所の優秀なスタッフをダメ社員達と称し、なんでも人のせいにする所員達を言っているのです。
確かに、『クライアントのセンスが悪い、クライアントに金がない、自分だけが予算がない、つまらない仕事を割りあてられる』嘆く隈研吾スタッフの気持ちは、言ってしまえば無限にきりのない話です。
建築家に必要な事は、人のせいをあげつらうことではなく、悪条件にも関わらず自分が何を建築で残せるかを死にもの狂いになることである、と言っていました。
人のせいにするお坊ちゃま育ちのダメスタッフに今回の石の美術館のエピソードを話すそうです。
石の美術館の苦闘に比べたら、今のおまえらが担当しているプロジェクトなんて天国のバラ色プロジェクトだとはっぱをかけるそうです。
4年間に渡る石の美術館の建築で隈研吾さんが学んだことは、デザインや色々な素材を使った戦いへの挑戦とは別に一番は人のせいにしないことを学んだそうです。
なるほどと思いました。
以前弊社bb会長も同じことを言っていたこと、ふと思い出しました。
建築は技術を磨くだけでなく、建築を通じて人のせいにしない人間学も学ぶことのできる素晴らしい仕事である事を改めてEBIも学びました。
新しい素材を取り入れながら挑戦するログハウス建築を人間学と共にしっかり学びたいと思いました。
淳.EBIの設計室のわななき【2022年05月06日】